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IMAX & バットマン




IMAX & THE DARK KNIGHT

バットマン「ザ・ダークナイト」はオープニングシーンを始め、いくつかのアクションシーンと空撮、およそ30分近くがIMAXにより撮影されています。
これ以外はパナビジョン35mmアナモフィック。

劇場映画としては初めての試みであるIMAXを使用した撮影。コスト的に考えても35mmでの撮影のおよそ4倍。そして画面面積比は35mmのおよそ8.4倍。
65ミリのフィルムを1コマ15パーフォレーションで水平方向に走らせるこのシステムは、プレッシャープレートにバキュームポンプを使用しフィルムが撮影面でフラットになるように保持されます。

もちろんIMAXはアスペクトレシオが1:1.43、大きさで表すならば、およそ70mmX52mmもあるのですが(35mmはおよそ24mmX18mm)、上映フォーマットが1:2.4のシネスコサイズのため、上下を1cm以上も捨ててしまうという何とも贅沢な使い方をしています。

実際に映画を見てみるとIMAXで撮影されたシーンの驚くべき解像度に、その後に続く35mmで撮影されたシーンが本来十分なクオリティーで撮影されているのにもかかわらず、何故か劣って見えてしまいます。

またIMAXの画面面積がこれだけ大きいと、ここに被写界深度の問題が出てきます。
言うならばワイドレンズを使用しても、35mmで望遠レンズを使用している時と同じような深度の浅い映像となります。

使用されたIMAXカメラは最軽量のMSM9802が3台、60コマまでのハイスピード撮影が出来るMKIIIが1台。MSM9802カメラは主にスタディカムやリモートヘッド、バイクリグなどに使用されています。
またこのカメラに取り付ける500フィートマガジンは24コマ撮影でおよそ100秒しか撮影することが出来ません。いかに無駄なくフィルムローディングをするかということも大きな問題です。
レンズはハッセルブラッド50mm,80mm,110mm,150mmが4セット。
DPのWally Pfister ASCは予算があったなら他のシーンもIMAXで撮影したかったと述べています。

ハイクオリティーな映像を創り上げるという点では絶対的な映像を創り上げることが出来るIMAX。
まだまだデジタルでは追いつくことが出来ない世界がそこにはあります。


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