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ハリソン&ハリソン ビューインググラス







Harrison & Harrison Viewing Glasses

長年愛用しているハリソンビューインググラスは、そのデザインもさることながら、フィルター濃度も私が好んで使用するローコントラストタイプに感覚的にマッチしています。

このビューインググラスはフィルムメーカーやフィルターメーカーがそれぞれ独自に販売しており、撮影監督の必需品ですが、それぞれメーカーによって濃度はまちまちです。また、あくまでもフィルムで撮影する際に映像のコントラストや彩度を簡易的に撮影現場で確認する為の物ですから、これを使用する撮影監督自身の感覚や好みそして使いやすさにマッチしていれば、特に決まった濃度でなければならないと言うことはありません。

具体的なビューインググラスの使用方法は、人間の目の構造が、急激な光の変化に追いつかないことを利用しています。

シーンのライティングを作り上げていく段階で、ビューインググラスを目の前にかざした瞬間に、光と陰のコントラストや色の彩度を確認し、最終的な映像、つまりスクリーン等でどのように再現されるかを予測するのです。

人間の目はある意味、オートアイリス、オートフォーカス、オートカラーコレクションの機能があるために、その状況を「見続ける」と全て「良いように解釈」してしまいます。これを補正するためにビューインググラスを使用するのです。
もちろんビューインググラスを使いこなせるようになるには知識や経験の積み重ねを必要とします。また、当然ながらビューインググラスを目の前にかざしたままの状態を続けても意味はありません。目の前にかざす、そして放す、と言う動作を繰り返し、かざした瞬間のその世界の変化を確認して行くのです。

ハリソンビューインググラスは、その使用状況に於いて幾つものバリエーションがあります。

カラービューインググラス
もっとも一般的なビューインググラスで、光と影及び色の彩度に対する濃度差の確認に使用します。

コントラストビューインググラス
このビューインググラスはフォグフィルター、ダブルフォグフィルター、ディフュージョンフィルター等、エフェクトフィルターがどのような結果になるかを予測する物で、コントラストビューインググラスの前に使用したいエフェクトフィルターをかざして確認していきます。

ギャファーズグラス
ギャファーが使用するビューインググラスで、非常に濃い濃度を持っています。(およそ7.5絞りの濃度)
これはライトのセンターを確認する為に使用したり、雲の切れ間から太陽が出てくるかどうかなどに使用します。
日本のチーフアシスタントが一般的なビューインググラスで太陽を確認することがよく行われていますが、この方法は確実に目を痛めます。 将来のためにも絶対にやめましょう。

パンクロマチックビューインググラス
白黒フィルムを使用する際に使います。とくに白黒フィルム用のコントラストフィルター(カラーフィルター)がどのようなコントラスト変化をもたらすか、パンクロマチックビューインググラスの前に使用するフィルターをかざすことによりコントラストの変化を確認できます。

ブルースクリーンコントラストビューワー
ブルーバックでの撮影に使用し、撮影対象物に対する不必要な陰やブルースピル(対象物に回り込むブルーの光)の確認に使用します。

グリーンスクリーンコントラストビューワー
グリーンバック撮影に使用し、不必要な陰やグリーンスピルを確認します。

ハリソンビューインググラスは日本では手に入りづらい事もあってか、使用している人も少ないのですが、フィルムツールスタジオデポのウエブサイトで 購入可能です。
注釈:2010年時点で残念ながら生産停止になっています。

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